保育園の洗礼はいつまで続く?入園後に熱ばかり出る時期の目安と乗り切り方・復職前の備え

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この記事で分かること

「保育園の洗礼」はいつまで続くのか、気になっている方も多いはずです。 集団生活に入った子どもが最初の数か月で感染を繰り返すのは、その子の体が弱いからではなく、ほぼ全員が通る道です。

先に結論をまとめます。

  • ピークは入園から3〜6か月。1年を過ぎるころには目に見えて減り、3歳前後で落ち着いてくる子が多いです
  • 熱を出す回数が多いのは、免疫が弱いからではなく、まだ出会っていないウイルスが多いから
  • 親が今すぐ動くべきなのは体質改善ではなく、熱が出た日に子どもを預けられる先を、親以外にもう1つ持っておくこと

そのうえで、やることを1つだけ選ぶなら「病児保育の事前登録」です。 理由ははっきりしていて、病児保育室はほぼ例外なく事前登録制で、登録には面談や書類のやりとりで数日から2週間ほどかかります。つまり熱が出てから申し込んでも、その熱の日には間に合いません。看護休暇の確認も夫婦の当番決めも、極端に言えば熱が出た当日でも動かせますが、これは先回りしないと使えない種類の備えです。しかも効果は直接的で、1回使えれば親の欠勤が1日減ります。

この記事では、なぜ熱が続くのか、いつまで続くのか、感染症ごとにいつから登園できるのか、熱の日の預け先を費用と申し込み方法で比べるとどう違うのか、そして2025年に広がった制度を含めた復職前の備えを整理します。入園そのものの準備は保育園入園準備リストにまとめています。

保育園の洗礼はいつまで続く?時期別の目安

はっきりした「◯か月で終わる」という線はありませんが、多くの家庭でたどる流れはだいたい共通しています。

時期 発熱・呼び出しの頻度 月あたりの欠席日数の目安
入園〜1か月 1〜2週間おきに発熱。慣らし保育中に一度中断する家庭も多い 5〜10日。登園できた日数のほうが少ない月も珍しくない
入園2〜6か月 月1〜2回。胃腸炎や中耳炎などかぜ以外も混ざり始める 3〜6日
入園7か月〜1年 月1回程度。熱が出ても回復が早くなってくる 1〜3日
2年目以降 流行期に数回。3歳前後から「めったに休まない子」に近づく 0〜2日

欠席日数はあくまで一般的な目安で、園の規模や流行の時期、きょうだいの有無で大きく変わります。ただ、最初の1〜2か月は「月の半分は家にいる」くらいを想定しておくと、計画が破綻しにくいのは確かです。

小児科の一般的な目安として、乳幼児は1年に5〜8回ほどかぜをひくとされ、多い子では10回以上になることもあります。集団生活に入るとこの回数が前倒しで一気に来る、というイメージが実態に近いです。

「早く入れたぶん損をする」わけではない

この回数は、「早く来るか遅く来るか」の違いでしかないと考えられています。0歳で入園した子は0〜1歳で洗礼を受け、3歳から幼稚園に入る子は3〜4歳で同じことを経験します。

参考になるのが、米国で1,246人の子どもを出生時から13歳まで追いかけた研究です(Ball TMら、2002年、Archives of Pediatrics & Adolescent Medicine)。家族以外の子どもが6人以上いる大きな保育環境で過ごした子は、2歳の時点では家庭保育の子に比べてかぜを繰り返す割合が1.9倍でした。ところが6歳では0.3倍、8歳では0.1倍と逆転し、13歳ではどちらも差がなくなっていました

早期の集団保育と学童期のかぜの少なさが結びついていた、という観察であって、「保育園に通わせれば将来かぜをひかなくなる」と因果関係を証明したものではありません。米国の20年以上前のデータでもあり、日本の保育環境にそのまま当てはまるとも限りません。それでも、今の大変さが「この先ずっと続く不利」ではないことを示す材料にはなります。

なぜ入園するとこんなに熱を出すのか

理由は大きく3つあります。

1. かぜのウイルスは200種類以上ある
「かぜ」は1つの病気ではなく、ライノウイルス、RSウイルス、アデノウイルスなど多数の病原体による症状の総称です。原因となるウイルスは200種類以上あるとされ、細かい型まで数えるとさらに増えます。免疫は原則としてかかったウイルスに1つずつしか付かないので、先月かぜをひいたから今月は大丈夫、とはなりません。同じ月に2回熱を出しても、別のウイルスであれば不思議なことではないのです。

2. 母親からもらった抗体が切れる時期と重なる
赤ちゃんは胎盤を通じて母親から抗体(移行抗体=生まれる前に母親から受け取った、借り物の免疫)をもらって生まれますが、これは生後6か月ごろまでに大きく減っていきます。0歳児クラスの入園は、ちょうどこの借り物の免疫がなくなるタイミングと重なります。

3. 距離が近く、手や口を介した接触が多い
乳幼児は同じおもちゃを口に入れ、顔を触り、密着して遊びます。大人の職場とは比べものにならない濃厚な接触があり、園がどれだけ消毒を徹底しても感染を完全には防げません。

つまり、熱が続くのは育て方でも体質でもなく、環境が変わったことによる当然の経過です。そしてこの時期に一つずつ免疫を積み上げていくことは、集団生活に入る子がいずれ通る過程でもあります。

感染症別・登園できるようになる目安

「熱が下がったのに登園できない」と混乱しやすいのが、感染症ごとに定められた登園の基準です。保育所での対応は学校保健安全法の考え方に準拠しており、こども家庭庁の「保育所における感染症対策ガイドライン」(2018年改訂版、2023年一部修正)に登園のめやすが示されています。

医師の意見書(治癒証明にあたる書類)が求められることが多いもの

感染症 登園のめやす
インフルエンザ 発症後5日が経過し、かつ解熱後3日が経過していること(幼児の場合。小学生以上は解熱後2日)
新型コロナウイルス感染症 発症日から5日が経過し、かつ症状が軽くなってから24時間が経過していること
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ) 耳の下の腫れが出てから5日が経過し、全身状態が良いこと
水痘(水ぼうそう) すべての発しんがかさぶたになっていること
咽頭結膜熱(プール熱) 主な症状が消えてから2日が経過していること
麻しん(はしか) 発しんに伴う発熱がおさまってから3日が経過していること
風しん 発しんが消えていること
百日咳 特有の咳が消えるまで、または5日間の適切な抗菌薬治療が終わること

保護者が書く「登園届」でよいとされることが多いもの

感染症 登園のめやす
溶連菌感染症 抗菌薬の内服を始めて24〜48時間が経過していること
手足口病 発熱や口の中の水ぶくれの影響がなく、普段の食事がとれること
ヘルパンギーナ 発熱やのどの水ぶくれの影響がなく、普段の食事がとれること
RSウイルス感染症 咳などの呼吸器の症状が治まり、全身状態が良いこと
突発性発疹 解熱していて、機嫌が良く全身状態が良いこと
感染性胃腸炎(ノロ・ロタなど) 嘔吐・下痢が治まり、普段の食事がとれること
伝染性紅斑(りんご病) 全身状態が良いこと
マイコプラズマ肺炎 発熱や激しい咳が治まっていること

インフルエンザの「解熱後3日」は幼児(保育園・幼稚園の年代)の基準で、小学生以上は解熱後2日です。日本小児科学会の解説(2025年4月改訂版)でも、抗ウイルス薬で早く熱が下がっても感染力は残るため、発症から5日は休むことが望ましいとされています。溶連菌感染症は、抗菌薬を始めて24時間ほどで人にうつす力はほぼなくなるとされますが、園が48時間を求めることもあります。

書類の要否と料金は自治体・園でかなり違う

ここでの「意見書」とは、医師に書いてもらう登園再開のための書類のことです。書類の要否・様式・料金は自治体や園によって違い、無料の自治体もあれば、文書料として数百円〜数千円かかる場合もあります(診断書などの文書料は健康保険の対象外です)。

入園時に配られる「保健のしおり」などで、次の3点を先に確認しておくと、あわてずに済みます。

  • どの感染症に、意見書と登園届のどちらが必要か
  • 様式はどこで手に入るか(園で配布か、自治体サイトからの印刷か)
  • 登園再開日の朝に提出でよいのか、前日までに園へ連絡が必要か

なお、上の表はあくまで目安です。最終的な登園可否は、かかりつけ医の判断と園の規定に従ってください。

朝「登園させていいか」を迷ったときの基準

出勤前のいちばん苦しい判断がこれです。園によって細かい規定は違いますが、多くの園は次のいずれかに当てはまるとき、登園を控えるよう求めています。

  • 朝の体温が37.5℃以上
  • 前日に37.5℃以上の熱が出て、解熱から24時間が経っていない
  • 下痢が2回以上、または嘔吐がある
  • 朝食がいつもの半分も入らない、機嫌が明らかに悪い

数字だけで見ると厳しく感じますが、この線は「病気の重さ」ではなく「集団の中で1日を過ごせるか」で引かれています。園には横になって休める個室も、こまめに看護する人手も限られています。熱が上がりきる前の朝は平熱でも、昼に38℃台まで上がるのはよくある経過です。

迷ったときは、体温よりも次を見てください。

  • 前の晩、まとまって眠れたか
  • 朝の水分・食事が普段どおり入ったか
  • 遊びに向かう元気があるか(呼びかけへの反応がいつもと同じか)

このうち2つが崩れているなら、休ませたほうが結果的に早く戻れます。「行けるかもしれない」で預けて午前中に呼び出されると、その日は半日仕事を失ったうえに、子どもは体調が悪いまま園で過ごすことになります。

呼び出しの電話が来たとき

呼び出しの基準は園によって違いますが、37.5℃前後を目安にしている園が多いようです。ただ、迎えに行ったら、まず熱の数字よりも次を見てください。37.6℃で元気いっぱいの子もいれば、37.2℃でぐったりしている子もいて、体温の高さと体のつらさは必ずしも一致しないためです。

  • 水分がとれているか
  • 尿が出ているか(半日以上出ていないときは注意)
  • 呼吸が苦しそうでないか(肩で息をする、ゼーゼーする、小鼻がぴくぴくする)
  • 起こしても反応が鈍い、あやしても笑わないなど、いつもと明らかに違う様子がないか

生後3か月未満で38℃以上の発熱があるとき、けいれんが起きたとき、水分がまったくとれないとき、呼吸が苦しそうなときは、時間帯を問わず受診してください。 判断に迷うときは自己判断せず、かかりつけの小児科や小児救急電話相談「#8000」に相談を。家庭でのケアの詳しい手順は赤ちゃんの発熱・体調不良、おうちケアの基本にまとめています。

なお、園から呼ばれた時点でその日の受診をどうするかも決めておくと動きやすくなります。翌日以降に病児保育を使うつもりなら、多くの病児保育室では当日または前日の医師の診察と「連絡票(診療情報提供書)」が必要なので、迎えに行ったその足で受診しておくと翌朝がスムーズです。

熱の日の預け先を比べる

「洗礼」で消耗するのは、熱そのものより毎回ゼロから調整する手間です。選択肢を先に並べて、費用と申し込み方法を把握しておくと、当日の判断が一気に速くなります。

預け先 費用の目安 申し込み・登録 当日朝でも使えるか 向く人
施設型の病児保育室(病院・保育園に併設) 1日2,000〜3,000円が中心。品川区は区内在住2,000円・区外在住5,000円、西宮市・四日市市は1日2,000円(各自治体サイト、2026年8月時点)。昼食・おやつ代が別途数百円のことも 事前登録が必須。面談や書類提出で数日〜2週間。予約は前開室日の昼〜当日朝 使えるが、1施設の定員が4〜7人程度と少なく、朝の受付分は数分で埋まることも 平日フルタイムで休みが取りにくい人。費用を抑えたい人
病児対応のベビーシッター 1時間2,000〜3,500円程度+交通費。病児は割増のことが多い。月会費制で利用回数に上限を設けない団体もある 会員登録・面談が必要。当日朝の依頼は空き状況次第 施設より取りやすいが、朝の依頼は保証されない 送迎の時間が取れない人、きょうだいがいる家庭、確実性を優先する人
ファミリー・サポート・センター 1時間700〜900円程度(自治体により異なる) 会員登録と、援助会員との事前打ち合わせが必要 原則として病児は対象外。「病児・緊急対応強化事業」を実施している自治体のみ病児・病後児に対応 回復期の預かり、きょうだいの送迎など周辺の手当て
祖父母・親族 交通費・謝礼など 「何をどこまで頼めるか」を平時に決めておく 距離次第で当日も可 近居で健康な親族がいる家庭。ただし高齢の親族への感染は考慮したい
親が休む(子の看護等休暇・年次有給休暇・在宅勤務) 無給の会社では収入減。有給・無給は就業規則による 就業規則の確認だけ 当日連絡で可 すべての家庭のベース。ただしこれ「だけ」で1年を回すのは難しい

施設型の病児保育を使うときの実務

  • 登録は住んでいる自治体の窓口かホームページから。 定員が少なく朝一番で埋まるため、候補は2か所以上あると安心です。市区町村をまたいで使える「広域利用」を認めている自治体もあります
  • 予約はWebシステムが主流になりました。 病児保育の予約サービス「テオテ」(2026年4月に「あずかるこちゃん」から名称変更)を採用する自治体が増え、スマホから24時間申し込めます。「利用日の前開室日12時から予約可」といったルールが自治体ごとに決まっているので、登録時に確認しておきます
  • 当日は医師の連絡票(診療情報提供書)が要ります。 開室前に小児科を受診し、書いてもらってから施設へ向かう流れが一般的です
  • 受け入れられない病気もあります。 隔離室の有無によって、インフルエンザや感染性胃腸炎、水痘などを受け入れない施設があります。登録時に「どの感染症まで対応可能か」を聞いておくと、当日の空振りを防げます
  • 持ち物は施設指定です。 着替え、食事(離乳食やアレルギー対応食は持参指定が多い)、飲み物、薬と与薬依頼票など。前日の夜に用意できるよう、リストをスマホに保存しておくと楽です

費用の負担を軽くする方法

勤務先が「企業主導型ベビーシッター利用者支援事業」に申し込んでいる場合、1回2,200円の割引券が使えます。1日に子ども1人あたり2枚(4,400円)まで、対象は小学校3年生までの子どもです。勤務先が参加していなければ使えない制度なので、復職前に人事へ「うちは使えますか」と一言確認しておく価値があります。

自治体独自の病児保育利用料の助成や、住民税非課税世帯の減免を用意している市区町村もあります。育児で使えるお金の制度全般は育児で使えるお金の制度、産休・育休まわりは産休・育休の制度とお金にまとめています。

タイプ別・まず何から手をつけるか

すべてを完璧に用意する必要はありません。働き方と家族の状況によって、効くものが違います。

あなたの状況 最優先でやること 次にやること
フルタイム通勤・夫婦とも出社 病児保育を2か所登録 曜日で当番を固定。看護等休暇の有給/無給を確認
在宅勤務が使える 病児保育の登録は同じく先に。そのうえで「在宅=看病しながら働ける」ではないと夫婦で認識をそろえる 半休+在宅の組み合わせ方を上司と決めておく
シフト勤務・自営で急な欠勤が難しい 病児対応のベビーシッターに登録(当日の確保力が高い) 病児保育も併願。繁忙期に代わってもらえる人を確保
ひとり親・頼れる親族がいない 病児保育+シッターの二本立て ベビーシッター割引券の対象か勤務先に確認。自治体の助成も調べる
きょうだいがいる 上の子の預け先も同時に決める(同時に発症する前提で) 感染が家庭内で回る想定で、看護休暇を分けて使う
年度途中(秋冬)の入園 予防接種の抜けをすぐ確認 流行期と洗礼が重なるため、休みの見込みを多めに申告
復職直後で有給が少ない 看護等休暇(年5日)の使い方を計画 欠勤・時間単位有給・在宅の順番を先に決めておく

復職前にやっておきたい5つの備え

洗礼そのものは避けられません。効くのは「休みが発生する前提で仕組みを整えておくこと」です。

1. 預け先を、親以外にもう1つ確保する
先に見たとおり、病児保育室は当日いきなり利用できないことがほとんどです。熱が出てから調べ始めると確実に間に合いません。 復職前に登録まで済ませ、できれば一度、元気なうちに場所を見に行っておくと当日の心理的なハードルが下がります。

2. 「子の看護等休暇」と2025年に広がった制度を確認する
子どもの看病のために取得できる法定の休暇です。2025年4月の育児・介護休業法の改正で内容が広がりました。

  • 対象の子が小学校3年生の修了までに拡大(従来は小学校就学前まで)
  • 日数は子1人なら年5日、2人以上なら年10日
  • 取得事由に、感染症による学級閉鎖や、入園式・卒園式などの行事参加が追加
  • 「勤続6か月未満は対象外」とできる労使協定の規定が撤廃

時間単位でも取得できます。ただし有給か無給かは会社の規定によって異なるため、就業規則で確認しておきましょう。年5日は入園直後の数か月で使い切ってしまうことも珍しくないので、年次有給休暇との併用を前提に計画してください。

同じ改正で、3歳になるまでの子を育てる人へのテレワーク導入が事業主の努力義務になり、残業を免除してもらえる「所定外労働の制限」の対象が、3歳未満から小学校就学前まで拡大しました。

さらに2025年10月からは、3歳以上・小学校就学前の子を育てる人向けに「柔軟な働き方を実現するための措置」が事業主の義務になっています。会社は次の5つから2つ以上を用意し、働く人はそのうち1つを選んで使えます。

  • 始業時刻の変更等(フレックスタイム制、時差出勤)
  • 在宅勤務等(月10日以上、時間単位でも利用可)
  • 短時間勤務(1日6時間を含む設定)
  • 養育両立支援休暇(年10日以上、時間単位でも利用可)
  • 保育施設の設置運営やベビーシッター費用の補助など

「うちの会社は何を選んでいるのか」を知らないまま復職している人が少なくありません。制度の名前を挙げて人事に聞けば、たいてい答えが返ってきます。

3. 夫婦の「当番」を先に決めておく
呼び出しの電話が鳴ってから「今日はどっちが行く?」と相談すると、たいてい調整しやすいほうに固定され、片方に偏ります。月曜は父・火曜は母のように曜日や週で先に割り振っておくと、その場の交渉が要らなくなります。実際の負担配分についてはワンオペ育児を乗り切る工夫もあわせてどうぞ。

4. 職場に先に伝えておく
「入園直後は月に何度か急に休む可能性がある」と復職前に共有しておくと、当日の連絡が謝罪ではなく報告になります。引き継ぎメモの置き場所を決める、共有カレンダーに予定を出しておくなど、自分が急に抜けても回る形を先に作っておくのが結局いちばん効きます。

5. 家に「熱の日セット」を常備する
体温計(複数本あると壊れたときに困りません)、経口補水液、かかりつけ医から処方されている解熱薬があればそれ、着替えとタオル、保険証・医療証・診察券・母子健康手帳をまとめたポーチ。夜間や休日の診療窓口、#8000の番号もスマホに登録しておきます。鼻づまりで眠れない夜が増えるので、家庭用の鼻水吸引器があると夜のケアが楽になります。体温計選びは体温計の比較を参考にしてください。

少しでもかかりにくくするために

「何をしても防げない」わけではありませんが、効果を過大に見積もらないことも大切です。現実的に意味があるのは次の4つです。

  • 予防接種を遅らせない:ワクチンで防げる病気は防いでおくと、重い感染や長期の欠席を減らせます。入園前後はスケジュールが乱れがちなので予防接種スケジュールで抜けを確認しておきましょう
  • 帰宅後の手洗い:親も含めて全員が徹底します。子どもの手洗いは、大人が手を添えて一緒に洗うほうが確実です
  • 睡眠時間を削らない:復職後は生活が後ろ倒しになりがちです。就寝時刻が遅くなると体調を崩しやすくなります(月齢別の生活リズム
  • 大人が持ち込まない:親が職場でもらった感染症を家庭に持ち込むことも普通にあります。大人のインフルエンザ予防接種も含めて考えます

家庭の中で回さない工夫

見落とされがちなのが、家庭内でうつし合って欠席が長引くパターンです。子どもが治りかけたころに親が発熱し、その次にきょうだいが、という2〜3週間になることもあります。完全には防げませんが、次の3つは負担が軽いわりに効きます。

  • 嘔吐物・下痢の処理は使い捨て手袋とペーパーで。感染性胃腸炎はごく少量のウイルスでうつるため、拭き取りのあとの手洗いを徹底する
  • タオルは分ける。とくに手拭きの共用をやめるだけでも接触感染の機会が減る
  • その日の看病役はなるべく1人に絞る。家族全員が代わる代わる密着するより、家庭内に広がりにくくなります(休みを取る役を偏らせるという意味ではなく、看病中の濃厚な接触を家族全員に広げない、という話です)

一方で、特定の食品やサプリメントで集団生活の感染症を防げるという確かな根拠は、今のところありません。免疫を「強くする」ことに労力を割くより、休める体制を整えるほうが確実に効きます。

やりがちな失敗・注意点

解熱薬で熱を下げて登園させる
薬が切れるころに再び熱が上がり、結局その日のうちに呼び出されることになりがちです。子どもの負担が増え、園内で感染を広げることにもつながります。解熱薬は登園のためではなく、つらさを和らげて水分や睡眠をとらせるための薬です。

「まだ本調子でないけれど、もう休めないから」と復帰を急ぐ
下痢が続いている、食事が半分も入らない、という状態での登園は、ぶり返しと長期化を招きがちです。結果として休む日数が増えることも多く、しっかり治してから戻すほうが早道です。

片方の親だけが休み続ける
最初の1〜2か月で有給を使い切り、その後の1年が立ち行かなくなるパターンです。序盤から夫婦で分担し、病児保育やベビーシッターなど外部の手も最初から使う前提で組み立ててください。

「在宅勤務なら看病しながら働ける」と考える
熱のある子どもは常に抱っこを求め、30分おきに水分や着替えが必要になります。在宅勤務は移動時間が減るぶん有利ですが、看病と就業を同時には成立させにくいのが実情です。在宅+半休、あるいは在宅+シッターの組み合わせで考えておくほうが現実的です。

病児保育を「登録だけして一度も使わない」
初回は慣れない場所で子どもが泣くことが多く、その記憶で二度目をためらう家庭があります。体調が回復してきた病後児の日など、比較的軽い日に一度使っておくと、本当に困った日に選択肢として機能します。

復職日を入園日の直後に設定する
慣らし保育は、体調不良で中断すると簡単に1〜2週間延びます。可能であれば入園から復職まで2週間程度の余裕を見ておくと、初日からつまずかずに済みます。

よくある質問(FAQ)

Q. 保育園の洗礼はいつまで続きますか。
A. ピークは入園から3〜6か月で、1年を過ぎるころには目に見えて減り、3歳前後で落ち着いてくる子が多いです。園の規模や流行の時期、きょうだいの有無で個人差はありますが、「ずっとこのペースが続くわけではない」と見込んでおいて大丈夫です。

Q. 入園して2週間で3回熱を出しました。免疫に問題があるのでは?
A. 入園直後にこのペースになること自体はよくあることです。ただし、肺炎や中耳炎を短期間に何度も繰り返す、抗菌薬を飲んでもなかなか治らない、体重が増えない・減っている、といった点が重なる場合は別の理由がある可能性もあります。心配なときは自己判断せず、経過をメモしてかかりつけの小児科に相談してください。

Q. 慣らし保育はどれくらいかかりますか。
A. 1〜2週間で組む園が多く、初日は1〜2時間から始めて少しずつ延ばしていきます。ただし途中で発熱すると仕切り直しになり、2〜3週間かかることも珍しくありません。復職日は「慣らしが延びる前提」で決めておくと安全です。

Q. 熱が下がったらすぐ登園させていいですか。
A. 多くの園が「解熱後24時間」を目安にしています。インフルエンザなど登園基準が定められた感染症は、それとは別に感染症別の表の条件を満たす必要があります。判断に迷うときは園に電話で確認するのが確実です。

Q. 登園許可証(意見書)にお金はかかりますか。
A. 自治体や医療機関によります。無料のところもあれば、文書料として数百円〜数千円かかることもあります。診断書等の文書料は健康保険の対象外です。園によっては保護者が書く「登園届」で足りる感染症も多いので、まず様式を確認してください。

Q. 病児保育に預けるのはかわいそうでしょうか。
A. 病児保育室は看護師と保育士が配置され、少人数で静かに過ごせる環境が基本です。園でにぎやかに過ごすより休養になる場合もあります。ただし初回は環境の変化に泣くことが多いので、可能なら回復期に一度試しておくと、お互いに慣れやすくなります。

Q. 4月入園と年度途中の入園で違いはありますか。
A. かかる病気の種類は流行の時期で変わりますが、「入園から数か月が山」という流れ自体は同じです。ただし冬に入園すると、洗礼の時期とインフルエンザ・胃腸炎の流行期が重なるぶん、体感としては大変になりやすいでしょう。

Q. 0歳で入れると病気が多いから、1歳まで待ったほうがいいですか。
A. 入園時期を遅らせれば洗礼の時期も後ろにずれるだけで、なくなるわけではありません。月齢が上がると体力がついて回復は早くなりますが、それを理由に入園を遅らせる必要はありません。就労状況や保育所の空き状況を優先して決めて構いません。

Q. 母乳を続けていれば熱を出しにくくなりますか。
A. 母乳には感染防御に役立つ成分が含まれると考えられていますが、集団生活での感染を防ぐほどの効果を期待するものではありません。母乳育児を続けるかどうかは、感染症対策とは切り離して考えて大丈夫です。哺乳瓶やコップ飲みの準備は哺乳瓶拒否のまま保育園に入園して大丈夫?にまとめています。

Q. 何度も休んで職場に居づらいです。どう考えればいいですか。
A. まず、これは一時的な時期であって、ずっと続くものではありません。伝え方としては、休みの連絡と同時に「復帰の見込み」と「代わりに対応できる人・引き継ぎ先」をセットにすると、周囲は動きやすくなります。あわせて、子の看護等休暇や柔軟な働き方の措置など、使える制度を人事に確認しておきましょう。

まとめ

保育園に入ってから熱ばかり出る時期は、体が弱いサインではなく、免疫が一つずつ積み上がっている途中の記録です。ピークは入園から3〜6か月、1年を過ぎれば目に見えて減り、多くは3歳前後で落ち着きます。

今日1つだけ動かすなら、病児保育の事前登録です。熱が出てからでは間に合わない備えで、1回使えれば欠勤が1日減ります。そのうえで、子の看護等休暇と2025年10月からの柔軟な働き方の措置を人事に確認し、夫婦の当番を曜日で固定する。この3つが動いていれば、次の呼び出しの電話は「どうしよう」ではなく「今日はこっちの番」になります。

そして、熱の高さより「水分がとれているか」「呼吸が楽か」「反応がいつも通りか」を見てください。気になる症状があるときや判断に迷うときは、自己判断せずかかりつけの小児科、または小児救急電話相談(#8000)へ相談を。入園前の持ち物や手続きは保育園入園準備リスト、発熱時の家庭でのケアは赤ちゃんの発熱・体調不良、おうちケアの基本にまとめています。


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