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卒乳の方法、結論から
「そろそろ授乳をやめたほうがいいのかな」「でも夜だけはまだ欲しがるし……」——卒乳の方法と、いつから始めるかは、多くのママパパが一度は迷うテーマです。先に結論から言うと、期限のある事情が特にないなら、1歳〜1歳半の間に「昼の授乳を2〜3日に1回ずつ減らし、夜間を最後に外す」段階的なやり方が、いちばん失敗が少なく体への負担も軽い方法です。離乳食が3回食で安定し、栄養の大半を食事から摂れるようになる時期と重なるうえ、急にやめるより胸の張りも軽く済むからです。
ただしこれは「全員がそうすべき」という話ではありません。復職や次の妊娠で期限がある人、夜だけやめたい人、子どもが自分から離れるのを待ちたい人では、選ぶべき道が変わります。この記事では、卒乳の3つの方法と選び分け、月齢別の判断材料、当日までの2週間の具体的な手順、胸の張りのピークと受診の目安、そしてあまり語られないデメリットまでを整理しました。
卒乳のやり方は、この4ステップ
細かい話の前に、実際にやることの全体像を置いておきます。どの方法を選んでも、大枠はこの順番です。
- やめる日を決める前に、代わりの寝る合図をつくる:お風呂→絵本→部屋を暗くする、といった入眠儀式を先に固めます。授乳が「寝る合図」になっている子ほど、ここが本番の難易度を左右します。
- コップやストローマグで水分が摂れるようにする:授乳が減っても水分不足になりにくくなります。
- 昼の授乳から、2〜3日に1回ずつ減らす:夜より昼のほうが気持ちをそらしやすいので、昼を先に外します。1日5回授乳しているなら、ここに2週間ほど見ておくと無理がありません。
- 夜の授乳を最後に外す:ここが山場です。泣いて欲しがる数日を見込んで、寝かしつけを代わってもらえる体制を先に用意しておきます。
途中で胸が強く張ってきたら、それは減らすペースが速すぎるサインです。1回分戻して間隔をあけるのがいちばんの対処で、乳腺炎(母乳が乳腺にたまって炎症を起こす状態)を避けるうえでも、この「戻してよい」を知っているかどうかが効いてきます。以下、この4ステップの中身を順に見ていきます。
卒乳の方法は3つ|自然卒乳・断乳・夜間断乳の違い
授乳の終わり方は「やめる/待つ」の二択ではなく、実際には3つの選択肢があります。まず言葉を整理しておきます。
- 断乳:親が主導して「この日からやめる」と決め、授乳を終える方法。計画断乳とも呼ばれます。
- 夜間断乳:夜の授乳だけをやめ、昼間の授乳は続ける方法。授乳そのものは終わらせません。
- 自然卒乳:子ども自身が欲しがらなくなり、自然に授乳が終わっていく方法。
もっとも、日常会話では「卒乳」を授乳を終えること全般を指して使うことが多く、「卒乳したい」と言うときに実際に想定されているのは親主導の断乳、というのはよくあることです。呼び方にこだわる必要はありません。大事なのは「終わりを決めるのが親か子か」「昼もやめるのか、夜だけか」の2点で、ここが決まればやることはおのずと決まります。
この3つは、かかる期間も、胸の張り方も、向いている家庭もかなり違います。
| 方法 | 終わりを決めるのは | 目安の期間 | 胸の張り | 夜の寝かしつけ | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|
| 断乳(計画断乳) | 親 | 準備2週間+子どもが慣れるまで3〜7日 | 強い。3〜5日目がピークで、1〜2週間で落ち着く | 最初の2〜3日は泣くことが多い | 復職・次の妊娠・服薬など期限がはっきりある人 |
| 夜間断乳 | 親 | 準備数日+本番2〜5日 | 中くらい。昼の授乳が残るぶん軽い | 2〜3日で落ち着く例が多い | 授乳は続けたいが夜は眠りたい人、夜中に何度も起きる子の親 |
| 自然卒乳 | 子ども | 数か月〜1年以上 | ほとんど張らない | 変化がゆるやかで山場がない | 期限がなく、母子とも今の授乳に負担を感じていない人 |
「断乳か卒乳か」で迷っている人の多くは、実は夜間断乳で悩みが解決するケースです。つらいのが夜中の頻回授乳だけなら、授乳そのものを終わらせる必要はありません。
「いつから」を決めるのは月齢より4つのサイン
授乳をやめる時期に医学的な決まりはありません。厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年改定)は、離乳の完了(栄養の大半を母乳・ミルク以外の食事から摂れるようになった状態)の目安を生後12〜18か月頃としたうえで、ここで言う「離乳」は母乳から離れることを意味しないと明記し、いつまで乳汁を続けるかは母親等の考えを尊重して支援を進めるという立場を示しています。つまり「離乳食が完了したら授乳もやめる」という意味ではありません。世界保健機関(WHO)も2023年の指針で、6か月までは母乳のみ、その後は食事と併せて2歳かそれ以上まで母乳を続けることを推奨しています。
そのうえで、次の4つがそろっていると進めやすくなります。
- 離乳食が1日3回、安定して食べられている:栄養の大半を食事から摂れているかどうかが、最も大事な前提です。参考までに、平成27年度乳幼児栄養調査(2016年公表)では、離乳食の完了時期は「13〜15か月」が33.3%と最も多く、10年前の平成17年度調査よりピークが遅い時期にずれていました。
- 母乳・ミルク以外で水分が摂れる:コップやストローマグで麦茶や白湯が飲めると、授乳が減っても水分不足になりにくくなります。まだならストローマグで練習してからのほうが安心です。
- 子どもの体調が落ち着いている:発熱や下痢の最中は避けます。
- 親側の準備が整っている:数日間は泣かれる前提なので、仕事の繁忙期や引っ越し直後は外したほうが無難です。
月齢別に見た判断材料
| 時期 | 授乳の位置づけ | このタイミングで進めるなら |
|---|---|---|
| 生後0〜11か月 | 栄養の中心はまだ母乳・ミルク | 断乳するなら育児用ミルクへの置き換えが前提。自己判断で減らさず、医師や助産師に相談を |
| 1歳〜1歳半 | 離乳の完了期。栄養の大半を食事から | 支援ガイドの完了目安(12〜18か月)と重なる時期。計画断乳を選ぶ家庭が最も多い |
| 1歳半〜2歳 | 栄養より「安心」の役割が中心に | 自然卒乳が起きやすい時期。言葉が通じるぶん、声かけでの断乳も進めやすい |
| 2歳以降 | 続けることに医学的な上限はない | 家庭の事情や母体の状態で判断してよい時期 |
「◯歳になったら必ずやめる」と気負う必要はありません。周囲の言葉より、目の前の子どもの様子と自分の体調を基準にしてよいテーマです。
悩み別・どの方法を選ぶかの早見表
自分の状況に近いところを見てください。
| 今の状況・悩み | まず試したい方法 |
|---|---|
| 復職・保育園入園が決まっている | 夜間断乳だけで足りることが多い。園で冷凍母乳や育児用ミルクに対応する場合もあり、完全にやめる必要はありません(保育園入園の準備) |
| 夜中に何度も起きてつらい | 夜間断乳。昼の授乳は残すので胸の張りも軽く、スキンシップも減りません |
| 次の妊娠が分かった/薬を飲む必要がある | 自己判断で急にやめず、まず産婦人科や主治医に相談。そのうえで段階的に減らします |
| 卒乳を待ちたいが虫歯が心配 | 続けてかまいません。夜の歯みがきを丁寧にし、寝る前の甘い飲食を避けるほうが効果的です |
| 何度か挑戦して失敗した | 1〜2か月あけて仕切り直し。いきなり全部ではなく、昼の1回だけ減らすところから |
| 離乳食をあまり食べない | 断乳を急がず、先に食事を安定させるほうが結果的に早い(離乳食の進め方) |
| 母乳が出すぎて張りが強い | 減らすペースをさらにゆるめ、1回減らすごとに3〜4日おく。しこりが残るなら母乳外来へ |
授乳をやめる日を決めたときの、2週間の具体的な手順
ここからは、日を決めて進める場合(断乳)のやり方を日程に落とし込みます。「ある日いきなりゼロ」は、子どもにとっても母体にとってもいちばん負担の大きい方法です。産婦人科医の解説でも、2〜3日に1回のペースで授乳を1回ずつ減らすやり方が、赤ちゃんにも乳房にも負担が少ないとされています。逆算すると、1日5回授乳している人なら本番までに2週間ほど見ておくと無理がありません。
2週間前:土台をつくる
寝る前の入眠儀式(お風呂→絵本→部屋を暗くする、など)をこの時期に固めておきます。授乳という「寝る合図」がなくなったあと、代わりの合図が既にあるかどうかで寝かしつけの難易度がかなり変わります。同時に、コップやストローマグでの水分補給、パートナーによる寝かしつけも練習しておきます。
10日前〜3日前:2〜3日に1回ずつ減らす
昼間の授乳から減らします。夜間より昼のほうが、遊びや食事、外出で気持ちをそらしやすいためです。減らした回は抱っこ、外遊び、麦茶や白湯での水分補給に置き換えます。この段階で胸が強く張るなら、減らすペースが速すぎるサインなので1回分戻して間隔をあけます。
3日前:予告する
1歳半を過ぎて言葉がある程度わかる子には、カレンダーを見せながら「◯日でおっぱいバイバイだよ」と繰り返し伝えておくと、当日の混乱が小さくなります。予告は毎日1回、あっさり伝える程度で十分です。
当日〜3日目:いちばんの山場
授乳をゼロにします。泣いて欲しがる場面が増えるので、この数日はパートナーや家族に寝かしつけを代わってもらえる体制を作っておくと、気持ちの負担が大きく減ります。胸の張りは3〜5日目にピークを迎えることが多く、痛みが強いときは張りが和らぐ程度に少量だけ搾ります。搾り切ると分泌が続いてしまうため、あくまで「痛みを逃がす程度」です。
4日目〜2週間:落ち着いていく時期
多くの場合、1〜2週間で張りは楽になっていきます。ここで張りがつらいからと授乳を一度でも再開すると、分泌がまた戻って振り出しに近づいてしまうことがあります。子どもが求めてきても、抱っこや水分で対応するほうが結果的に短く済みます。
夜間断乳だけを選ぶときのやり方
夜だけやめたいなら、上の手順のうち「入眠儀式を整える」「予告する」「当日3日間の協力体制」の3つを、昼の授乳は残したまま行います。夜中に起きたときは授乳の代わりに、背中トントン、抱っこ、少量の水分で対応します。昼の授乳が残るぶん胸の張りは軽く、2〜3日で夜の授乳を求めなくなる子が多いと報告されています。夜泣きそのものへの対処は夜泣き・寝かしつけのコツもあわせてご覧ください。
自然卒乳を待つときのやり方
自然卒乳は「終わりの日を決めない」方法なので、日程表はありません。とはいえ何もしないわけではなく、待ちながらできることがあります。順番としては次のとおりです。
- こちらから授乳に誘わない:泣く前に先回りして飲ませる、寝かしつけの手段として毎回使う、といった「大人主導の1回」を減らします。求められたら応じる形に寄せていくと、回数は自然に落ちていきやすくなります。
- 授乳以外の落ち着き方を増やす:抱っこ、手をつなぐ、添い寝、お気に入りのタオル。「おっぱい以外でも安心できる」経験が増えるほど、子ども側から離れやすくなります。
- 食事と水分を先に整える:食べる量と、コップやストローマグでの水分がしっかりしてくると、授乳は栄養ではなく安心の役割に移っていきます。
- 回数が減ってきたら、残す1回を決めておく:多くの家庭で最後に残るのは寝る前か朝いちばんの1回です。「ここだけは残す」と決めておくと、減った日も焦らずに済みます。
自然卒乳は数か月から1年以上かけて進むこともあり、「この日で終わり」という区切りがはっきりしないのが特徴です。急にぱたっと飲まなくなる子もいれば、1日1回が半年続く子もいます。待っている途中で気が変わって日を決める方法に切り替えても、何も問題はありません。実際、「基本は待つ、でも夜だけは先に外す」という組み合わせを選ぶ家庭は少なくありません。
おっぱいのケアと、受診したほうがいいサイン
授乳を減らす過程では、母乳が張って痛みや熱っぽさが出ることがあります。
- 少しずつ減らす:急に完全にやめると、乳腺炎のリスクが高まります。段階的に減らすのが基本です。
- 張りが強いときは少量だけ搾る:痛みが和らぐ程度にとどめます。空になるまで搾ると分泌が続きやすくなります。搾乳器を使う場合も同じで、この時期は「圧を抜く」目的だけに使います。
- 保冷剤で冷やす:タオルで包んで軽く当てると不快感が和らぐことがあります。直接肌に当てるのは避けます。
- 締めつけすぎない下着にする:強く圧迫すると乳管が詰まりやすくなることがあります(授乳ブラ)。
次のような症状があるときは、自己判断で様子を見ず、産婦人科・母乳外来・助産師に相談してください。
- 38度以上の発熱が続く
- 胸の一部が赤くなり、熱を持っている
- しこりが消えない、または大きくなっていく
- 痛みが強くて動けない
なお「断乳後は数か月おきにおっぱいのケアを受けるべき」という説明を見かけることがありますが、方針は助産師や施設によって異なります。しこりや痛みが残っていないなら必ずしも必要というわけではなく、気になる症状が出たときに相談する、という考え方でよいでしょう。判断に迷うときは、出産した施設や母乳外来に確認してみてください。
見落としやすいデメリットと注意点
やり方の情報は多い一方、「やめたあとに何が起きるか」はあまり語られません。知っておくと慌てずに済みます。
断乳を選ぶ場合
- 数日間は泣かれる:これが最大のコストです。仕事や来客の予定と重ならない週を選んでください。
- 一時的に夜泣きが増えることがある:授乳という入眠手段がなくなるためで、多くは数日から数週間で落ち着くといわれます。ただし夜泣きには成長段階や日中の刺激など複数の要因が関わるため、断乳が原因と決めつけないほうが対処しやすくなります。
- 乳腺炎のリスク:ペースを守れば大きく下げられます。
- 母体側の変化:授乳中は排卵が抑えられて月経が止まっていることがあり、断乳後しばらくして再開する人が多いようです(時期には大きな個人差があり、授乳中に戻る人もいます)。また授乳中は母乳をつくるぶんのエネルギーが余分に必要とされており(食事摂取基準でも授乳婦には付加量が設定されています)、授乳がなくなった分だけ消費が減るため、食事量が変わらないと体重が増えやすくなります。
- 子どもが体調を崩すと中断になる:熱が出れば水分と安心の確保が優先です。仕切り直して問題ありません。
自然卒乳を選ぶ場合
- 終わりが読めない:復職や次の妊娠など、期限のある予定とは相性がよくありません。
- 夜間授乳が長引くことがある:親の睡眠不足が続く場合は、卒乳は待ちつつ夜間断乳だけ先に行う選択肢があります。
- 周囲から言われることがある:「まだ飲ませているの」という声は珍しくありませんが、授乳を続ける期間に医学的な上限はありません。
1歳前にやめる場合に必ず押さえること
1歳未満で授乳を終える場合、食事だけではエネルギーと栄養が不足するため、育児用ミルクへの置き換えが前提になります(粉ミルクの比較)。ここで混同しやすいのがフォローアップミルク(生後9か月頃から使える、牛乳の代わりを想定してつくられた飲みもの)です。支援ガイドはフォローアップミルクは母乳代替食品ではなく、離乳が順調に進んでいれば摂取する必要はないとし、鉄欠乏のリスクが高い場合や体重増加が思わしくない場合に医師に相談のうえ活用するもの、と位置づけています(フォローアップミルクの比較)。1歳前の断乳を検討するときは、置き換える量も含めて医師や助産師に相談してください。
虫歯が心配で断乳を考えている場合
日本小児歯科学会は、母乳と粉ミルクで糖の含有量に大きな差はなく、虫歯の発生リスクにも差はないとしています。一方で、夜中の頻繁な授乳には注意が必要とも説明されています。就寝中は唾液の分泌が減るためで、歯が生えそろってきたら寝る前の歯みがきを丁寧にするほうが、断乳そのものより現実的な対策です。歯みがきを嫌がる時期の進め方は赤ちゃんが歯磨きを嫌がるときにまとめています。気になる場合は自己判断せず、小児歯科で相談してみてください。
つまずきやすい5つのパターン
- 初日から全部ゼロにする:子どもの不安も母体の負担も最大になります。減らすのは2〜3日に1回ずつが目安です。
- 体調不良と重ねてしまう:発熱や下痢のときに授乳を減らすと、水分が足りなくなることがあります。元気なタイミングを選びます。
- 痛いからと搾り切ってしまう:楽にはなりますが、分泌が続いて張りの期間が長引きます。圧を抜く程度にとどめます。
- 代わりの入眠手段を用意していない:授乳をやめる話なのに、対策が「授乳をやめる」だけになっているパターンです。入眠儀式・寝かしつけ役の交替・お気に入りのタオルなど、代わりの安心材料を先に用意しておきます。
- 一度の失敗であきらめる、または意地になって続ける:数日試してうまくいかなければ、時期をずらして再挑戦してかまいません。授乳の終わりは一発勝負ではなく、何度でも仕切り直せます。
授乳が終わるときの、親の気持ちについて
断乳・卒乳は子どもの成長の一区切りであると同時に、親の側にも寂しさや喪失感を伴うことがあるといわれます。「やっと自分の体が自分のものに戻る」という解放感と「もう二度とこの時間はない」という寂しさが、同じ日に同時にあってもおかしなことではありません。ホルモンの変化が重なる時期でもあり、理由のはっきりしない気分の落ち込みが出ることもあります。
授乳という毎日のスキンシップが減るぶん、抱っこや添い寝、絵本の読み聞かせなど、別の形のふれあいを増やしていくと切り替えがしやすくなる人が多いようです。気分の落ち込みが2週間以上続く、眠れない、何も楽しめないといった状態が続く場合は、自己判断せず産婦人科や自治体の相談窓口に声をかけてみてください。
よくある質問
Q1. 卒乳は、何から始めればいいですか?
A. 授乳を減らすことからではなく、寝る前の入眠儀式を固めることと、コップやストローマグで水分が摂れるようにすることから始めてください。この2つができていないまま授乳を減らすと、寝かしつけの手段と水分源が同時になくなって難易度が跳ね上がります。逆にここが整っていれば、あとは昼の授乳を2〜3日に1回ずつ減らしていくだけです。
Q2. 断乳と卒乳、どちらが子どもにとって良いですか?
A. どちらが優れているというデータはありません。決め手になるのは「期限があるかどうか」です。復職・妊娠・服薬など動かせない予定があるなら断乳、なければ自然卒乳を待つか、つらい部分だけを外す夜間断乳という選び方になります。
Q3. 断乳したら夜泣きが増えました。関係ありますか?
A. 授乳という入眠手段がなくなることで、一時的に寝つきが不安定になることはあります。多くは数日から数週間で落ち着くといわれます。ただ夜泣きは成長段階や日中の過ごし方など複数の要因が絡むため、断乳だけが原因とは限りません。長引く場合や体調面が心配な場合は小児科に相談してください。
Q4. 断乳すると母乳はすぐ止まりますか?
A. 個人差がありますが、張りのピークは3〜5日目ごろ、1〜2週間でかなり楽になるという経過が多いようです。分泌が完全に落ち着くまでには数週間から数か月かかることもあり、断乳から半年ほど経っても、搾ればにじむ程度に出ることは珍しくないといわれます。
Q5. 卒乳を待っていますが、2歳を過ぎても授乳が続いています。やめさせるべきですか?
A. 授乳を続ける期間に医学的な上限はありません。WHOも2歳かそれ以上までの継続を推奨しており、母子ともに負担がなければ自然に任せる家庭も多くあります。気になる場合は自治体の育児相談や小児科医に相談してみましょう。
Q6. 保育園に入るので断乳しないといけませんか?
A. 必須ではありません。園によっては冷凍母乳を預かる、日中は育児用ミルクやコップ飲みで対応するなど方法があります。まず入園予定の園に確認してみてください。日中の授乳がなくなるだけで、朝晩の授乳は続けられる家庭も多くあります。
Q7. 1歳前に断乳しても大丈夫ですか?
A. 事情によっては選択肢になりますが、1歳未満は食事だけで必要な栄養をまかなえないため、育児用ミルクへの置き換えが前提です。フォローアップミルクは母乳の代わりにはなりません。量も含めて、医師や助産師に相談してから進めてください。
Q8. おっぱい以外で落ち着かせる方法はありますか?
A. 抱っこ、背中トントン、少量の水分、お気に入りのタオルやぬいぐるみなど、代わりの安心材料をいくつか用意しておくと当日の対応がしやすくなります。寝かしつけをパートナーに代わってもらうだけで、あっさり寝る子もいます。
Q9. 断乳後、しこりが残っています。放っておいていいですか?
A. 小さなしこりが少しずつ小さくなっているなら経過を見ることが多いですが、大きくなる、赤みや熱がある、痛みが強いといった場合は乳腺炎の可能性があります。自己判断せず、産婦人科や母乳外来を受診してください。
まとめ
卒乳の方法に正解の日付はありませんが、迷ったときの現実的な第一候補ははっきりしています。1歳〜1歳半、離乳食が3回食で安定してから、昼の授乳を2〜3日に1回ずつ減らし、夜間を最後に外す——この段階的なやり方が、子どもの混乱も乳腺炎のリスクもいちばん小さく抑えられます。
そして、つらいのが夜中の授乳だけなら、授乳そのものを終える必要はありません。夜間断乳という選択肢があります。期限のある事情がなければ、待つという選択も同じくらい正当です。厚生労働省の支援ガイドが「いつまで乳汁を続けるかは母親等の考えを尊重する」と書いているのは、そういう意味です。
胸の張りは3〜5日目がピーク、1〜2週間で落ち着く。38度以上の熱・赤み・消えないしこりが出たら受診する。うまくいかなければ1〜2か月あけて仕切り直せる。この3つを覚えておくだけで、ずいぶん気持ちに余裕を持って向き合えるはずです。
出典:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年改定)/厚生労働省「平成27年度乳幼児栄養調査結果の概要」(2016年公表)/世界保健機関(WHO)「Guideline for complementary feeding of infants and young children 6–23 months of age」(2023年)/日本小児歯科学会「産まれてから2歳頃まで」/産婦人科オンラインジャーナル「断乳と卒乳ってどう違うの? 適切な時期や方法を教えて!」
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