産休・育休はいつから?いくらもらえる?期間・お金・手続きの全体像【2026年版】

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結論から:まず押さえるのはこの3つ

産休・育休はいつから取れて、いくらもらえるのか。制度の名前も窓口もバラバラで、調べるほど分からなくなる分野です。細かい話に入る前に、この記事でいちばん伝えたい3つを先に書きます。

1. 産休は健康保険、育休は雇用保険。お金の出どころが違う。
これが分かると、「誰に聞けばいいか」が一気に整理されます。産休中のお金(出産手当金)は健康保険から、育休中のお金(育児休業給付金)は雇用保険から出ます。

2. いちばん効くのは「夫婦それぞれ14日以上、産後8週以内に育休を取る」こと。
2025年4月に始まった出生後休業支援給付金により、この条件を満たすと最大28日間、給付が67%+13%=80%に上がります。育休中の給付は非課税で社会保険料も免除されるため、この期間は手取りで実質10割相当になります。制度をひとつだけ覚えて帰るなら、これです。パパが1か月前後の育休を取る計画があるなら、ママの育休と時期を重ねるだけで、夫婦合わせて7万〜12万円ほど受け取れる額が変わります。

3. 保育園に落ちて育休を延長する予定なら、申し込み方に注意。
2025年4月から延長の審査が厳しくなり、「落ちるための申し込み」は認められなくなりました。詳しくは後述します。

そのうえで、大切なお願いを。条件や金額は、雇用保険・健康保険の加入状況や勤務先の規定によって人それぞれ違います。 制度は毎年のように改正され、給付の上限額は毎年8月1日に変わります。この記事は全体像をつかむためのものです。自分の金額と手続きは、必ず勤務先の担当部署やハローワーク・年金事務所・健康保険組合で確認してください。

あなたの場合はどうなる:働き方別の早見表

まず、自分がどこに当てはまるかを確認してみてください。

あなたの状況 産休中のお金 育休中のお金 最初に確認すること
正社員・契約社員(健康保険+雇用保険あり) 出産手当金(給与の約2/3) 育児休業給付金(67%→50%) 勤務先の担当部署に妊娠を報告
パート・アルバイト(週20時間以上で雇用保険あり) 自分が健康保険の被保険者なら出産手当金あり 育休開始前2年間に「賃金の支払い対象日が11日以上ある月」が12か月以上あれば対象 給与明細で雇用保険料が引かれているか
パート(週20時間未満・配偶者の扶養内) 出産手当金なし(扶養家族には出ません) 育児休業給付金なし 出産育児一時金(家族出産育児一時金)は受け取れる
自営業・フリーランス(国民健康保険) 出産手当金なし 育児休業給付金なし 国民健康保険料・国民年金保険料の産前産後免除を申請
専業主婦(夫)・無職 出産手当金なし 育児休業給付金なし 配偶者の健康保険から出産育児一時金
公務員 共済組合から出産手当金 共済組合から育児休業手当金(率は雇用保険と同じ考え方) 共済組合の窓口・所属庁の人事担当
妊娠中に退職する予定 条件を満たせば退職後も出産手当金を受け取れる場合あり(下のFAQ参照) 退職すると育児休業給付金は受け取れません 退職日をずらせないか勤務先と相談

出産育児一時金(子ども1人あたり原則50万円)は、健康保険・国民健康保険のどれに入っていても受け取れます。働き方で差が出るのは、出産手当金と育児休業給付金の2つです。

産休と育休は、そもそも別の制度

つまずきやすいのが、産休と育休は根拠となる法律も、お金の出どころも違うという点です。

産休(産前産後休業) 育休(育児休業)
いつ 出産予定日の6週間前〜産後8週間 産休のあと〜原則1歳に達する日(誕生日の前日)まで
根拠となる法律 労働基準法 育児・介護休業法
もらえるお金 出産手当金(健康保険から) 育児休業給付金(雇用保険から)
対象 健康保険の被保険者本人 主に雇用保険の被保険者
相談先 健康保険組合・協会けんぽ・勤務先 ハローワーク・勤務先
男性が取れるか 取れません(出産する本人のための休業) 取れます(出生直後に取れる別枠の「産後パパ育休」を含む)

産休は健康保険、育休は雇用保険。 これだけ覚えておくと、窓口を探すときに迷いません。なお、産休・育休のどちらの期間も、健康保険料と厚生年金保険料は免除されます(免除された期間も、将来の年金額の計算では保険料を納めたものとして扱われます)。

産休(産前産後休業)でもらえるお金

期間はいつからいつまで

  • 産前:出産予定日の6週間前(42日前)から。双子など多胎妊娠は14週間前(98日前)から。産前は「本人が請求すれば」休める仕組みなので、ぎりぎりまで働くことも可能です。
  • 産後:出産の翌日から8週間(56日間)。このうち産後6週間は、本人が希望しても就業できません(労働基準法で禁止)。6週間を過ぎたあとは、本人が請求し医師が認めた業務に限って働けます。

出産が予定日より遅れた場合、遅れた日数も産前休業に含まれます。逆に早まった場合は、その分だけ産前が短くなります。

出産手当金はいくら?

産休中に会社から給与が出ない間、健康保険から出産手当金が支給されます。計算式は次のとおりです。

支給開始日以前12か月間の標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 3分の2 × 休んだ日数

「標準報酬月額」とは、社会保険料を計算するために、給与額を区切りのよい金額に当てはめたものです。毎年の給与明細や、勤務先の担当部署で確認できます。おおむね「残業代や手当も含めた月収」に近い金額だと考えてください。

たとえば標準報酬月額が30万円の人が、産前42日+産後56日=98日休んだ場合。

  • 300,000円 ÷ 30 = 10,000円(日額)
  • 10,000円 × 2/3 = 6,667円(1日あたりの出産手当金)
  • 6,667円 × 98日 = 約65万円

標準報酬月額20万円なら約43万円、40万円なら約87万円が目安です。産休中に給与の一部が支払われる場合は、その分だけ出産手当金が減ります。

出産育児一時金は原則50万円

出産費用そのものに対しては、出産育児一時金として子ども1人あたり原則50万円が支給されます(産科医療補償制度に加入していない医療機関などでの出産は48万8千円)。多くの医療機関では、健康保険から病院へ直接支払われる直接支払制度が使えるので、窓口では50万円を超えた差額だけを払う形になります。出産費用が50万円未満だった場合は、差額を後から請求して受け取れます。

なお、正常分娩の費用を公的医療保険の対象にする法改正は2026年5月に成立していますが、施行は公布から2年以内とされており、当面は現行の出産育児一時金50万円の仕組みが続きます

育休(育児休業)でもらえるお金

期間は原則1歳まで、延長で最長2歳まで

原則は子どもが1歳に達する日(1歳の誕生日の前日)まで。保育園に入れないなどの事情があれば1歳6か月まで、それでも入れなければ最長2歳まで延長できる場合があります。

また、夫婦がともに育休を取る場合は、パパ・ママ育休プラスという仕組みで、休める期間を子どもが1歳2か月になるまでに延ばせます(ただし1人あたりの上限は1年間のままです)。「ママの復帰と入れ替わりでパパが2か月休む」といった使い方ができます。

育休は原則2回まで分割して取得できます(2022年10月から)。「まず3か月休んで、いったん復帰し、保育園に入れる時期にもう一度休む」といった調整がしやすくなりました。

育児休業給付金の割合と、実際の金額

育休中に給与が出ない間、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。

  • 育休開始から180日(約6か月)まで:休業前賃金の67%
  • 181日目以降:50%

計算のもとになる「休業前賃金」は、育休開始前6か月の賃金合計 ÷ 180で出した1日あたりの金額(休業開始時賃金日額)です。ボーナスは含みません。

月給ごとの目安を、30日分に換算して表にしました。

休業前の月給 67%の期間(〜180日) 50%の期間(181日〜) 出生後休業支援給付金(28日分の上乗せ)
20万円 約134,000円 約100,000円 約24,300円
25万円 約167,500円 約125,000円 約30,300円
30万円 約201,000円 約150,000円 約36,400円
40万円 約268,000円 約200,000円 約48,500円
50万円以上 332,454円(上限) 248,100円(上限) 60,205円(上限)

給付には上限があります

気をつけたいのが、もらえる給付には天井(支給上限額)があること。これは「高収入だともらえない」という児童手当のような所得制限とは違い、「給与がいくら高くても、計算に使う賃金額に上限がある」という仕組みです。給与が高い人ほど、実際の割合は67%より下がります。

上限のもとになる休業開始時の賃金月額の上限は496,200円。そのため、月給が50万円でも100万円でも、67%期間の給付は月33万円ほどで頭打ちになります。この上限額は毎年8月1日に改定され、2026年8月1日からは次の金額です(厚生労働省リーフレットより)。

給付の種類 2025年8月〜 2026年8月1日〜
育児休業給付金(67%) 323,811円 332,454円
育児休業給付金(50%) 241,650円 248,100円
出生時育児休業給付金(産後パパ育休・67%) 302,223円 310,290円
出生後休業支援給付金(13%の上乗せ・28日分) 58,640円 60,205円

逆に、給与が少ない人向けの下限額もあります。休業開始時の賃金月額の下限は96,090円なので、パートなどで月給がこれを下回る場合でも、この下限額をもとに計算されます(67%の期間で月64,380円ほど)。

高収入の方が育休中に少し働いた場合の減額の計算は、育休中に少し働くと手当はどうなる?で詳しく扱っています。

手取りで見ると「67%でも約8割」になる理由

育児休業給付金には、金額以上に効く2つの特典があります。

  • 給付金は非課税(所得税・住民税がかかりません)
  • 育休中は社会保険料が免除(健康保険・厚生年金)

働いているときの給与からは、所得税・社会保険料が2割前後引かれています。育休給付にはそれがないため、額面67%でも、働いていたときの手取りと比べると約8割の水準になる、とよく言われます。

ただし、住民税だけは別です。住民税は前年の所得に対してかかるため、育休中も納める必要があります。給与から天引きできないぶん、自宅に納付書が届いたり、育休前の給与から一括で引かれたりします。「思ったより手元に残らない」と感じる原因の多くがこれなので、育休に入る前に勤務先へ「住民税はどう払うことになりますか」と聞いておくと安心です。

夫婦で取ると手取り10割:出生後休業支援給付金

2025年(令和7年)4月に始まった、共働き・共育てを後押しする給付です。

両親がそれぞれ14日以上の育休を取った場合、最大28日間、育児休業給付金に13%が上乗せされます。67%+13%=80%。給付は非課税で社会保険料も免除なので、この28日間は手取りで実質10割相当になります。

対象になるための条件は、おおむね次のとおりです。

  • 子の出生後8週間以内(母親は産後休業後8週間以内)に育休を開始していること
  • 本人が14日以上育休を取ること
  • 配偶者も14日以上育休を取ること

ここでよくある取りこぼしが、「パパが育休を取ったのに、日数が13日以下だった」「取った時期がずれて8週間の枠から外れた」というパターンです。14日以上・産後8週以内の2点は、育休の日程を決める前に必ず確認してください。

なお、ひとり親の場合や、配偶者が自営業・専業主婦(夫)などで育休を取れない立場の場合は、配偶者の要件は問われません。自分が14日以上取れば対象になり得ます。当てはまりそうなときは、ハローワークで確認してみてください。

参考までに、男性の育児休業取得率は50.9%(令和7年度雇用均等基本調査)で、はじめて5割を超えました。女性は88.3%です。数年前と比べて「パパも取るもの」に確実に変わってきています。

パパも取れる:産後パパ育休

2022年10月から始まった産後パパ育休(出生時育児休業)は、通常の育休とは別枠の制度です。

  • 子どもの出生後8週間以内に、合計4週間(28日)まで取得できる
  • 2回に分けて取れる
  • 通常の育休とは別枠なので、このあとに通常の育休も取れる
  • 申し出は原則2週間前まで(通常の育休は原則1か月前まで)

給付は出生時育児休業給付金として、賃金の67%(上限310,290円)。出生後休業支援給付金の13%上乗せも組み合わせられます。

「出産直後の、いちばん大変な時期を夫婦で乗り切る」ための制度です。産後8週間は、母体が回復している最中に数時間おきの授乳が重なる時期。上の子がいる家庭なら、送り迎えや相手をする人手も要ります。取れるなら、この時期に取る価値は大きいです。

育休の延長は2025年4月から厳しくなりました

保育園に入れなかったことを理由に1歳6か月・2歳まで延長する場合、2025年4月から手続きが厳格化されました

延長の申請時には、保育所等の利用申込書の写しと、自治体が発行する「入所できない旨の通知(保留通知)」の提出が必要です。そのうえでハローワークが、その申し込みが「速やかに職場復帰するために行われたもの」かどうかを確認します。

具体的には、原則として子どもが1歳になる日の翌日以前を入所希望日として申し込んでいることが必要です。「どうせ入れない園だけを1つ書いて出す」といった、延長を目的とした申し込みは認められなくなりました。

延長を視野に入れている場合でも、入所希望日の設定と申込先は、本気で復帰する前提で組むのが安全です。自治体によって申込書の様式も締切も違うので、産休に入る前に一度、役所の保育課で確認しておくとあわてずに済みます。保育園入園準備リストも合わせてどうぞ。

時短勤務で収入が下がる時期を支える:育児時短就業給付金

2025年4月に始まったもうひとつの給付です。2歳未満の子を育てるために時短勤務をして、賃金が下がった場合に、時短中の賃金のおよそ10%が支給されます。

  • 対象:育休から復帰して時短勤務する人など(時短開始前の被保険者期間などの要件あり)
  • 給付額:時短中に支払われた賃金の10%
  • 調整:賃金と給付の合計が、時短前の賃金を超えないように調整されます
  • 上限:支給対象月の賃金が484,121円以上だと支給されません(2026年8月1日以降)

「フルタイムに戻すのはまだ不安、でも時短だと収入が心配」という時期を、少しだけ後押しする制度です。金額は大きくありませんが、申請しなければ受け取れません。復帰の面談のときに、勤務先へ「育児時短就業給付の対象になりますか」と聞いてみてください。

産休・育休中に「少し働く」ときのルール

育休中でも、条件を守れば少しだけ働けます。ただし働きすぎると給付金がゼロになるので、線引きを知っておきましょう。

育休中に働くとき

育児休業給付金をもらいながら働く場合、1か月(給付の計算単位となる期間で、「支給単位期間」と呼びます)あたりの就業日数が10日以下であることが必要です。10日を超える場合は、就業時間が80時間以下であること。これを超えると、その月の育児休業給付金は支給されません

さらに、働いて賃金が支払われると、額に応じて給付金が減額されます。

  • 賃金が休業前賃金の13%以下(67%の期間)/30%以下(50%の期間) → 減額なし
  • そこから80%未満まで → 賃金と給付の合計が休業前賃金の80%になるよう一部減額
  • 80%以上 → 給付金は不支給

産後パパ育休中に働くとき

産後パパ育休中は、勤務先が労使協定(会社と従業員代表が結ぶ取り決め)を結んでいる場合のみ、あらかじめ申し出た範囲で働けます。上限は、休業期間中の所定労働日数・所定労働時間の半分までです。

例:1日8時間・週5日の人が2週間(所定労働日10日)休む場合 → 就業できるのは5日・40時間まで

注意したいのは、働いた日は「14日以上」のカウントには含まれないこと。出生後休業支援給付金の要件や社会保険料免除の日数計算に影響するので、「少し働くつもり」の人は日程を組む前に勤務先へ確認してください。

出産した本人は、産後6週間は働けません

前述のとおり、産後6週間の就業は法律で禁止されています。6週間を過ぎたあとも、就業できるのは本人が請求し医師が認めた業務に限られます。産後の回復には個人差が大きいので、体調は自己判断せず、健診のときなどに医師へ相談してください。

就業のルールは細かく、会社の規定にもよります。「少しだけ働きたい」ときは、必ず事前に勤務先とハローワークに相談を。

お金はいつ振り込まれる?入金のタイムライン

制度と同じくらい聞かれるのが「いつ入るのか」です。どちらも、思っているより遅れて振り込まれます

時期 起きること
出産予定日の6週間前 産休開始
出産 出産育児一時金は直接支払制度で医療機関へ
産後8週間 産休終了・育休開始
産休終了後〜 出産手当金を申請(産後56日経過後にまとめて申請するのが一般的)
申請から1〜2か月 出産手当金が振り込まれる
育休開始から2〜3か月後 育児休業給付金の初回が振り込まれる(以後は原則2か月ごとにまとめて。会社の申請が遅れるとさらにずれ込みます)

出産直後は数か月間、収入が途切れる期間ができます。この間も住民税や、場合によっては生命保険料の支払いは続きます。目安として、生活費の3〜4か月分を出産前に手元に用意しておくと、入金の遅れに焦らずに済みます。

やりがちな失敗5つ

  1. パパの育休が13日以下だった — 出生後休業支援給付金の13%上乗せは14日以上が条件。1日足りないだけで、1人あたり最大6万円ほどの上乗せを丸ごと逃します。
  2. 延長目的で保育園に申し込んだ — 2025年4月から、速やかな復帰を前提とした申し込みでないと延長が認められません。
  3. 賞与月の社会保険料免除を1日だけの育休で狙った — 2022年10月の改正で、賞与の保険料免除は「賞与支給月の末日を含む、連続1か月を超える育休」が条件になりました。月末に数日だけ、では免除されません。
  4. 住民税の存在を忘れていた — 育休中も前年分の住民税はかかります。納付書が届いて驚くケースが多いです。
  5. 申し出が期限に間に合わなかった — 通常の育休は原則1か月前、産後パパ育休は原則2週間前までの申し出が必要です。出産予定日が早まる可能性も踏まえ、早めに話を通しておきましょう。

育児休業給付金の対象にならない人が使える制度

雇用保険に加入していない場合、育児休業給付金は受け取れません。ただし、代わりに使える仕組みがあります。

  • 自営業・フリーランスなど、国民年金の保険料を自分で納めている人:出産予定日または出産日が属する月の前月から4か月間、国民年金保険料が免除されます(多胎は6か月間)。免除された期間も、将来の年金額には満額納めたものとして反映されます。市区町村の窓口へ届け出が必要です。
  • 国民健康保険の加入者:出産前後の4か月分の国民健康保険料が免除されます(2024年1月開始、多胎は6か月分)。こちらも自己申告制です。
  • 配偶者の扶養に入っている人:出産手当金はありませんが、家族出産育児一時金として原則50万円が支給されます。
  • すべての人妊婦のための支援給付(2025年4月に、それまでの出産・子育て応援給付金を法律上の制度として位置づけ直したもの。妊娠の届け出後に5万円、妊娠しているお子さんの人数×5万円が出産前に支給され、合計10万円が基本)。ほかに児童手当や乳幼児医療費助成もあります。受け取り方は自治体ごとに異なるので、母子健康手帳を受け取るときに確認を。詳しくは育児で使えるお金の制度にまとめています。

2025〜2026年に変わったこと

制度は毎年動いています。ここ2年の主な変更を、家庭に関係するものだけまとめます。

  • 2025年4月:出生後休業支援給付金・育児時短就業給付金がスタート。子の看護休暇が「子の看護等休暇」に変わり、対象が小学校3年生修了までに拡大(入園式や学級閉鎖なども対象に)。残業免除を請求できる対象が小学校就学前まで拡大。育児休業給付の延長手続きが厳格化。
  • 2025年10月:3歳から小学校就学前の子を育てる人向けに、柔軟な働き方を実現するための措置が企業に義務化。始業時刻の変更、テレワーク、短時間勤務、保育施設の設置や費用補助、休暇の付与といった選択肢のうち2つ以上を会社が用意し、働く人がその中から1つを選べる仕組みです。子が3歳になる前に、会社から個別に説明と意向確認が行われます。
  • 2026年4月子ども・子育て支援金の徴収が始まりました。医療保険料に上乗せして集められるもので、会社員が加入する被用者保険では2026年度の率は標準報酬月額の0.23%、労使折半で本人負担はその半分(月給30万円ならおよそ月350円)。児童手当の拡充や「こども誰でも通園制度」などの財源になります。加入している保険によって率は異なります。

よくある質問

Q. 産休・育休中は無給になりますか?
A. 会社からの給与は多くの場合出ませんが、代わりに出産手当金(産休)と育児休業給付金(育休)が支給されます。加えて社会保険料も免除されるため、手取りベースでは思ったほど落ち込みません。ただし振込までのタイムラグはあります。

Q. パートでも育休や給付はもらえますか?
A. 雇用保険に加入していて、育休開始前2年間に「賃金の支払い対象となった日が11日以上ある月」が12か月以上あれば対象になり得ます(11日未満でも、就業時間が80時間以上の月は算入できます)。有期雇用の場合は、子が1歳6か月になる日までに契約が満了することが明らかでないことも条件です。給与明細で雇用保険料が引かれているかを確認し、勤務先かハローワークに問い合わせてみてください。

Q. 男性も出産手当金はもらえますか?
A. 出産手当金は出産する本人の健康保険から出るものなので、男性は対象外です。男性が受け取れるのは、出生時育児休業給付金・育児休業給付金・出生後休業支援給付金といった雇用保険からの給付です。

Q. 妊娠中に退職したら、何ももらえませんか?
A. 育児休業給付金は受け取れません。出産手当金は、退職日までに継続して1年以上健康保険の被保険者だったこと、退職日に出産手当金を受けているか、受けられる状態であること、退職日に出勤していないことなどの条件を満たせば、退職後も引き続き受け取れる場合があります。退職日を1日ずらすだけで結論が変わることもあるので、退職前に健康保険組合へ確認してください。出産育児一時金は、退職後も条件次第で受け取れます。

Q. 育休中に次の子を妊娠したらどうなりますか?
A. 次の産休に入ると育児休業給付金は終了し、出産手当金に切り替わります。ただし、育休を続けて取ると2人目の給付額の計算がどうなるか(前回の休業開始時の賃金を使えるかなど)は個別の判断になります。受給要件の特例もあるため、早めにハローワークで確認してください。

Q. 自営業(フリーランス)ですが使える制度はありますか?
A. 雇用保険からの育児休業給付金は対象外です。ただし、国民年金保険料の産前産後免除(4か月)国民健康保険料の産前産後免除(4か月)は申請できます。どちらも自動では適用されないので、市区町村の窓口へ届け出てください。出産育児一時金(原則50万円)も受け取れます。

Q. いつ、誰に申請すればいいですか?
A. ほとんどの手続きは勤務先を経由します。妊娠が分かって安定期に入ったら、まず勤務先の担当部署へ報告し、産休・育休の申し出時期と必要書類を確認しましょう。産後パパ育休は原則2週間前、通常の育休は原則1か月前までの申し出が必要です。

Q. 育休は何回まで分割できますか?
A. 通常の育休は原則2回まで分割できます。産後パパ育休はそれとは別枠で、出生後8週間以内に2回まで分割できます。合わせると、夫婦で交代しながら細かく休むことも可能です。分割する場合は、それぞれの休業について申し出が必要になります。

まとめ

産休・育休の全体像は、産休=健康保険から出産手当金、育休=雇用保険から育児休業給付金という2本立てで整理できます。育児休業給付金は開始180日まで67%・以降50%で、非課税+社会保険料免除のおかげで手取りは目減りしにくい設計です。上限は2026年8月1日改定で月332,454円になりました。

そして、この記事でいちばん覚えて帰ってほしいのは、夫婦それぞれが産後8週以内に14日以上の育休を取ると、最大28日間は手取り10割相当になるということ。日数と時期の2つを満たすだけで結果が変わるので、育休の日程を決める前に、パートナーとカレンダーを開いて話しておく価値があります。

一方で、育休の延長は2025年4月から審査が厳しくなり、保育園の申し込み方まで見られるようになりました。住民税の請求も、給付金の入金の遅れも、知らないと後から効いてきます。制度は毎年変わり、金額は人それぞれです。 妊娠が分かったら早めに勤務先の担当部署へ、そして給付の細かい条件はハローワークや健康保険組合へ。自分の場合の数字を先に把握しておくことが、出産前後の不安をいちばん確実に減らしてくれます。


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