新生児の沐浴のやり方|10分で終わる7手順と、いつまで続けるかの目安

mokuyoku-yarikata 育児のヒント

※本ページはアフィリエイト広告(PR)を含みます。

この記事で分かること

はじめての沐浴でいちばん効くのは、洗い方のうまさではなく段取りです。 迷ったら、キッチンのシンクに収まる小型のベビーバスを、夕方の授乳前に使う形から始めてみてください。シンクなら立ったまま洗えて腰を痛めにくく、お湯を張るのも抜くのも数十秒で済み、赤ちゃんを抱えたまま移動する距離がほぼゼロになります。転落事故が起きやすい「浴槽のふたの上」や「テーブルの上」を最初から選ばずに済むのも、この方法の利点です。

覚える数字は4つだけです。

  • お湯は38〜40℃(夏は低め、冬は高めに)
  • 湯量はベビーバスに5cmほど
  • 授乳から30分以上あける
  • 着替えまで含めて10分前後

この記事では、この4つを軸にした7手順、ベビーバスを置く場所の選び方、ガーゼでこすらない洗い方、沐浴剤とベビーソープの使い分け、へその緒のケア、そして大人と同じお風呂に切り替える時期までをまとめます。

なお、新生児の看護手順では、体温が37.5℃以上ある、36.0℃以下と低い、ぐったりして元気がない、母乳やミルクの飲みが弱い、繰り返し吐いているといったときは沐浴を見合わせるとされています。当てはまるときは自己判断で進めず、かかりつけの小児科・産院に相談してください。湿疹やただれがひどいときも同様です。

そもそも沐浴とは?大人と分けて洗う理由

沐浴(もくよく)とは、新生児期の赤ちゃんをベビーバスなどの専用容器で洗う入浴方法のことです。

分ける理由は主に2つあります。ひとつは、生まれたばかりの赤ちゃんは感染に対する抵抗力が弱いこと。もうひとつは、へその緒(お腹に残っている、胎盤とつながっていた管の切れ端)の根元が乾いて取れるまで、そこが小さな傷口のままだということです。大人と同じ浴槽のお湯には皮脂や雑菌が混ざるため、赤ちゃん専用のきれいなお湯で短時間に洗い上げる形がとられます。

ここで、知っておくと迷いにくくなる話があります。日本と海外では、沐浴のやり方が違います。 アメリカ小児科学会(AAP)は、へその緒が取れるまでは湯船に沈めず、濡らしたタオルで体を拭く「スポンジバス」で済ませるよう勧めています。お湯に浸けると乾きが遅れるという考え方です(出典:HealthyChildren.org(AAP)「Bathing Your Baby」)。

一方、日本の産院ではベビーバスにしっかり浸ける沐浴が一般的です。どちらが正しいという話ではなく、産院で受けた指導に従うのが基本です。ただし両者に共通しているのは、「へその緒を濡れたままにしない」という一点。浸けるやり方をとるなら、上がったあとに水分を吸い取って乾かす工程が、そのぶん大事になります。

沐浴は一般に、生後1か月ごろの1か月健診で医師の許可が出るまで続けます。

ベビーバスはどこに置く?——実際に起きている事故から考える

手順の解説ではあまり触れられませんが、報告されている沐浴中の事故には、洗い方ではなく「置き場所」が原因のものが目立ちます。

消費者庁が2024年2月に配信した注意喚起「ベビーバス使用時の事故にご注意を!」には、次のような事例が挙げられています(出典:消費者庁「子どもを事故から守る!」プロジェクト メールマガジンVol.646(2024年2月29日))。

  • 浴槽のふたの上でベビーバスを使用中に転落し、死亡(0歳6か月・エアー式の空気量が少ない状態で使用)
  • お湯を張った浴槽のふたの上で使用中、保護者の足がふたに引っかかって転落し、頭と背中を打撲(0歳2か月)
  • テーブルの上のベビーバスが床に転落し、くも膜下出血・肝破裂で16日間の入院(0歳0か月)
  • ベビーバスの股のストッパーが外れてうつぶせになり、溺れて通院(0歳6か月)

つまり、浴槽のふたの上と、テーブルなどの高い台の上は避ける。これだけで防げた事故が複数あります。そのうえで、場所は次のように選ぶと決めやすくなります。

置く場所 洗う姿勢 湯の準備と後片づけ 弱点 向いている家庭
キッチンのシンク 立ったまま。腰は最もラク 蛇口から直接張り、そのまま流せる シンクの内寸に入る小型ベビーバスが要る。調理場所を毎回片づける必要あり ワンオペで、腰や膝に不安がある人
洗面台(ボウルが大きい場合) 立ったまま 蛇口から直接。排水も速い 一般的な洗面ボウルは幅が足りないことが多い 洗面所が広い間取り
浴室の床(洗い場) しゃがむ・膝立ち。腰に負担 シャワーで張れる。排水は最速 冬は寒い。親も濡れる 上の子と一緒にお風呂に入る家庭
洗面所や脱衣所の床 床に座る/膝立ち バケツやシャワーでの運搬が必要 お湯を運ぶ手間。こぼれ対策が要る 浴室が狭い間取り
専用のバススタンド 立ったまま 高さは合うが、給湯と排水は要工夫 置き場所と費用がかかる 沐浴を毎日2人がかりで行える家庭
浴槽のふたの上・テーブルの上 転落事故が実際に起きている。選ばない

キッチンのシンクを勧めているのは、この表のどの列を見ても大きな弱点が少ないためです。「シンクに入るサイズか」を先に測ってから製品を選ぶと失敗しません。ベビーバスの形状別の違いはベビーバスの比較記事にまとめています。

なお、エアー式(空気を入れてふくらませるタイプ)を使う場合は、空気が抜けかけたまま使わないでください。上の死亡事例は、空気量が少ないまま使ったことが背景にあるとされています。

準備するもの——「置く場所」まで決めておく

沐浴の準備で大事なのは、物をそろえること以上に、手を伸ばせば届く位置に、使う順で並べておくことです。赤ちゃんを抱えたまま何かを取りに立ち上がる——これが最も危ない瞬間になります。

お湯のそばに置くもの

  • ベビーバス:シンクに置ける小型タイプ、空気を入れるエアー式、折りたためるソフトタイプなど
  • 沐浴布(ガーゼ):体にかけて落ち着かせる用。1枚
  • 顔・頭を拭くガーゼ:洗う用とすすぐ用で2〜3枚あると使い分けられます
  • ベビーソープまたは沐浴剤:ポンプは片手で押せる位置に
  • 湯温計:数字で確認できると、迷う時間がなくなります

上がったあとの場所に、この順で重ねておくもの

  1. バスタオル(広げておく。フード付きのバスローブなら片手でくるめます)
  2. おむつ(先に開いて広げておく)
  3. 肌着とウェア(袖を通しておき、重ねてセット)
  4. 保湿剤
  5. 綿棒(へそ・耳の水分を取る用)

上がってからの数十秒で赤ちゃんの体は冷えます。ここを「探す時間ゼロ」にできるかどうかで、沐浴の難易度がはっきり変わります。フード付きタオルの違いはベビーバスローブの比較記事、洗浄料の選び方は泡タイプのベビーソープの比較記事を参考にしてください。準備品全体の量や費用感は出産準備リストの記事にまとめています。

沐浴の手順(7ステップ)

1. 部屋とお湯を整える

新生児の看護手順では、室温24〜26℃が目安とされています。冬は脱衣所や洗面所が冷えやすいので、始める前に暖房を入れておきます。夏に冷房が直接あたる位置も避けてください。

お湯は38〜40℃。 消費者庁の注意喚起でもこの範囲が示されています。季節で使い分けるなら、夏は38〜39℃、冬は40〜41℃を上限とする程度が目安です。いずれにしても、大人には少しぬるく感じる温度になります。湯温計がなければ、大人の肘の内側(手のひらより温度に敏感な場所です)をお湯につけて、「ややあたたかい」と感じる程度を目安にしてください。

湯量は5cmほど。 AAPは、たらいに約2インチ(約5cm)のお湯を張るとしています。深く張るほど支えるのが難しくなるので、少なめが基本です。

もうひとつ、家全体の設定も見直しておくと安心です。AAPは、やけどを防ぐため蛇口から出るお湯の最高温度を120°F(約49℃)以下に設定するよう勧めています。給湯器の設定温度を確認しておくと、うっかり熱湯が出る事故を減らせます。

時間帯は、授乳から30分以上あけて、毎日だいたい同じ時刻に。授乳直後は吐き戻しやすく、逆に空腹で機嫌が悪い時間も避けたいところです。夕方の授乳前に固定すると、生活リズムもつくりやすくなります。夜遅い時間は避けたほうがよいとされています。

2. 服を脱がせ、沐浴布をかけて足からお湯へ

利き手ではないほうの手で赤ちゃんの後頭部から首を支え、利き手でおしりを支えて持ち上げます。首がすわっていないので、頭を支える手は最後まで離しません。

裸になると泣く子は多いので、胸のあたりに沐浴布を1枚かけてから入れます。包まれている感覚があるだけで落ち着く子は少なくありません。お湯には足先からゆっくり入れます。いきなり全身を入れると驚いて反射的に泣きます。

3. 顔を拭く

ガーゼを湯に浸けて軽くしぼり、目頭から目尻へ向かって拭きます。片目を拭いたら、同じ面を続けて使わずにガーゼの面を変えるか、洗ってから反対の目へ。その後、口のまわり、鼻、耳のうしろ、最後に額と顔全体を拭きます。

顔は石けんを使わない日があってもかまいませんが、鼻や額に皮脂によるぶつぶつが出ているときは、泡でやさしく洗って流したほうが落ち着くことがあります。この時期の湿疹の見分け方は乳児湿疹はいつまで続く?の記事にまとめています。

4. 頭を洗う

頭を支えているほうの手の親指と中指で、両耳を軽く押さえます(お湯が耳に入るのを防ぐためです)。もう一方の手で、頭皮を指の腹を使ってやさしく動かすように洗います。爪を立てず、地肌をなでる感覚です。

すすぎは、しぼったガーゼで何度か拭き取るか、少量の湯をかけて流します。髪の生えぎわは泡が残りやすい場所です。環境再生保全機構の資料も、生えぎわのすすぎ残しに注意するよう挙げています(出典:環境再生保全機構「皮膚を清潔に保つ洗い方のコツ」)。

5. 体は「泡と手のひら」で洗う

ここが、昔ながらの手順といちばん変わってきたところです。

環境再生保全機構は、洗い方のコツとして逆さにしても落ちないくらいのきめ細かい泡をつくり、泡をたっぷり使って手でしっかり洗うこと、そしてナイロンタオルやスポンジは使わないことを挙げています。ガーゼでこする洗い方は、新生児の薄い皮膚には刺激になりえます。泡タイプの製品を使うか、泡立てネットで泡をつくってから、手のひらでなでるように洗ってください。

洗う順番は、首→わき→腕→手のひら→胸→お腹。手のひらは、にぎった指をそっと開いて中まで洗います。そのあと体を少しうつぶせ気味に返して背中とおしり、最後に足のつけ根と足の指の間へ。

特に念入りにしたいのは、首・わき・股・ひざの裏のくびれです。皮膚が重なって汗や母乳・ミルクの流れ込みがたまりやすく、湿疹の起点になりやすい場所です。しわを軽く伸ばして、指の腹を滑らせるように洗います。

6. すすいで、長湯にせずに上がる

全身の泡を残さず流します。すすぎ残しは、かゆみやかぶれの一因になるとされています。上がり湯を別に用意しなくても、ベビーバスのお湯がきれいなら、そのお湯で流して構いません。

着替えまで含めて10分前後が目安です。お湯に浸かっている時間そのものは5〜7分程度で十分とする解説もあります。長湯は体温の低下や体力の消耗につながるので、「早く終える」ほうを優先してください。

上がったらすぐ、広げておいたバスタオルで包みます。拭くときはこすらず、押さえるように。環境再生保全機構も「こすらずに包み込むように拭く」としています。

7. へそ・耳の水分を取り、保湿して着替える

綿棒で、へその中の水分を吸い取ります。ここが最後の、そしていちばん大事な仕上げです。耳と鼻も、綿棒で見える範囲だけ。奥に差し込む必要はありません。

続いて、肌が乾ききる前に全身へ保湿剤を塗ります。顔・首・体・手足と、しわの部分も忘れずに。最後に、重ねておいた肌着とウェア、おむつを順に着せて完了です。

なお、沐浴後に白湯を用意する必要はありません。水分は母乳や育児用ミルクで足ります。AAPは、生後6か月ごろまでは母乳を唯一の栄養源とすることを勧めており、水を飲ませ始めるのは6か月ごろからという整理をしています(出典:HealthyChildren.org(AAP)「Recommended Drinks for Children Age 5 & Younger」)。湯上がりにほしがるようなら、いつもどおり授乳してください。

沐浴剤とベビーソープ、どちらを使う?

売り場で最初に迷うのがここです。性格がまったく違うので、使い分けの考え方を整理します。

比べる点 沐浴剤 ベビーソープ(泡タイプ) 固形石けん・液体ソープ
使い方 湯に溶かして入れる 泡を出して手で洗い、流す 泡立ててから洗い、流す
すすぎ 不要とされる製品が多い 必要 必要
皮脂・汚れを落とす力 穏やか しっかり しっかり
片手で扱えるか 入れておくだけなので最もラク ポンプを押すだけで泡が出る 泡立てる手間がかかる
向いている場面 ワンオペで手が足りない日、上がり湯を用意しにくいとき 皮脂が多い時期、汗をかく季節、湿疹が気になるとき 費用を抑えたいとき、家族と共用したいとき

沐浴剤は「すすがなくてよい」ぶん、洗浄の力は控えめです。生後1〜2か月ごろは皮脂の分泌が多く、頭皮や眉、首のしわに汚れがたまりやすい時期でもあります。赤みやぶつぶつが出てきたときは、沐浴剤だけで済ませ続けず、泡で洗って流す方法に切り替える——という判断ができると、こじらせにくくなります。

なお、AAPは石けんについて「使いすぎない」「必要なら添加物のない低刺激で中性に近いものを」としています。毎日使ってはいけないという意味ではなく、汚れていない部分まで毎回強く洗う必要はないということです。製品ごとの成分や単価の違いは泡タイプのベビーソープの比較記事で比べています。

一人で入れるときのコツ

ワンオペの沐浴は、手数を減らせるかどうかがすべてです。効果の大きい順に挙げます。

  1. 場所をキッチンのシンクにする:立ったまま作業でき、給湯・排水がその場で完結します。床に置いて前かがみを続ける姿勢は、それだけで腰に負担がかかります。
  2. 着替えを「着せる順」に重ねてセットする:おむつを開いた上に肌着、その上にウェア。上がってから袖を通す作業が1回で済みます。
  3. 上がり湯を別に用意しない:かけ湯用のお湯を用意すると、その分だけ手がふさがります。ベビーバスのお湯を最後まできれいに保てば、そのお湯ですすいで上がって構いません。
  4. フード付きのバスローブを使う:頭からかぶせるだけで頭と体を同時に拭けます。片手しか使えない状況では効きます。
  5. タイマーを1回鳴らす:湯に入れた時点で7分に設定しておくと、「まだ大丈夫かな」と迷う時間がなくなります。
  6. 泣いても手順を止めない:抱き直すたびに時間が延び、体が冷えます。手を止めずに淡々と進めるほうが、結果として赤ちゃんが泣いている時間は短くなります。

お風呂の時間に赤ちゃんを待たせる場所の考え方は、人見知り・後追いへの対応の記事でも触れています。里帰りから自宅に戻って環境が変わるタイミングは特に段取りが崩れやすいので、里帰り出産の準備の記事もあわせてどうぞ。

沐浴でやりがちな失敗

1. お湯の温度を大人の感覚で決める

大人がちょうどよいと感じる湯温は、赤ちゃんには熱すぎます。「ぬるいかな」で正解です。湯温計を使うか、肘の内側で確認する習慣をつけてください。

2. ガーゼでゴシゴシこする

泡を手で広げる洗い方に変えるだけで、肌の状態が落ち着くことがあります。ガーゼは「洗う道具」ではなく「拭く・かける道具」と考えると迷いません。

3. すすぎ残し

髪の生えぎわ、耳のうしろ、首のしわ、股のくびれ。泡が残りやすいのはこの4か所です。

4. 時間をかけすぎる

丁寧にやろうとするほど長くなり、体が冷えます。10分で終える段取りをつくるほうが、赤ちゃんにとってはやさしい沐浴です。

5. ベビーバスを不安定な場所に置く

前述のとおり、浴槽のふたの上とテーブルの上では実際に重大な事故が起きています。エアー式は空気が十分に入っているかも毎回確かめてください。

6. 上がったあとの保湿を後回しにする

着替えさせてから塗ろうとすると、たいてい塗る量が減ります。タオルで拭いたらその場で塗る、を先に済ませてください。

7. 洗う順番を毎回変える

順番を固定すると、体が覚えて所要時間が短くなります。顔→頭→前面→背面→仕上げ、の流れを毎回同じにしてみてください。

へその緒のケアと、受診を考える目安

へその緒の残り(臍帯断端)は、生後1〜2週間ほどで自然に取れるのが一般的です。AAPは、3週間を過ぎても取れない場合は医師に相談するよう挙げています(出典:HealthyChildren.org(AAP)「Umbilical Cord Care in Newborns」)。

ケアの基本は乾燥です。小児科医の梶原久美子医師による小児科オンラインジャーナルの解説では、沐浴後に綿棒でおへその中の水分をしっかり吸い取ることが勧められており、乾燥させたほうが早く取れるとされています。また、消毒はへそが取れるまでの期間をかえって延ばすという考え方から、あえて消毒を指導しない病院も増えているとしています(出典:小児科オンラインジャーナル「新生児のおへそのケア〜いつ取れる?消毒は必要?〜」)。AAPも、アルコールでの消毒はせず清潔に保つ方針を示しています。

とはいえ、日本では沐浴後の消毒を指導する産院もまだ多くあります。どちらにするかは自己判断で決めず、退院時に受けた指導に従ってください。 共通しているのは「濡れたままにしない」ことです。

次のようなときは、様子を見ずに小児科・産院に相談してください。

  • おへその周りの皮膚が赤くなっている
  • においのある黄色い分泌物が出ている
  • 触ると痛がって泣く
  • 出血が続いている
  • 赤みに加えて熱が出てきた(臍炎の可能性があります)
  • 取れたあと、おへその中に赤く盛り上がったいぼのようなものが残っている(臍肉芽腫の可能性があります)

いつまで続ける?普通のお風呂への切り替え

目安は生後1か月の1か月健診です。医師が体重の増え方や全身の状態、へその緒の乾き具合を確認し、問題がなければ大人と同じ浴槽への切り替えを認めてもらえます。明確な決まりがあるわけではないので、健診で確認してから卒業するのが確実です。

切り替えの準備として、次の3点を先に決めておくとスムーズです。

  • お湯の温度を38〜40℃に:大人だけの適温より、ややぬるめに設定します。
  • 赤ちゃんを待たせる場所を決める:大人が体や髪を洗う間に赤ちゃんをどこに置くか。洗い場のバスチェアやマット、脱衣所のバウンサーなど、姿が見える場所に決めておきます。製品ごとの違いはバスチェアの比較記事にまとめています。
  • 入る順番・出る順番を決める:赤ちゃんは大人のあとに浴室へ入れ、先に出す。この順番が事故を減らします。

この最後の点は、消費者庁が明確に呼びかけている内容です。子どもの中でも0〜1歳の入浴中の溺水事故が最も多く、保護者が目を離した状況としては「子どもを残して浴室を出る」が最多、次いで「保護者自身の洗髪」が挙げられています。大人が髪を洗うときは、子どもを浴槽から出す——ここは徹底してください(出典:消費者庁「御家庭内での子どもの溺水事故に御注意ください!」(2021年7月7日))。AAPも「一瞬たりとも赤ちゃんを風呂に一人にしない」としています。入浴後に浴槽の水を抜いておくことも、あわせて勧められています。

よくある質問

Q. 沐浴は毎日必要ですか?

A. 日本では1日1回が一般的です。汗やおむつの汚れ、母乳・ミルクの流れ込みがあるためです。一方でAAPは、生後1年間は週3回の入浴で十分で、それ以上は肌を乾燥させることがあるとしています。高温多湿な日本の夏にそのまま当てはまるわけではありませんが、「洗いすぎは肌にとってマイナスになりうる」という視点は持っておくとよいでしょう。毎日入れるなら、洗浄料を強く使いすぎないことと、上がったあとの保湿をセットにするのが現実的な落としどころです。

Q. 沐浴の時間帯はいつがいいですか?

A. 授乳から30分以上あいていて、機嫌が比較的よい時間帯であれば、朝でも昼でも構いません。夕方に固定する家庭が多いのは、そのまま授乳・就寝へつなげやすいためです。ただし、毎日きっちり同じ時刻でなければいけないわけではありません。来客や受診で予定がずれた日は、時間帯をずらすか、その日は体を拭くだけにしても差し支えありません。避けたいのは、寝る直前の遅い時間だけです。

Q. 一人でも沐浴できますか?

A. できます。慣れれば10分の作業です。ただし最初の数回は、準備の抜けに気づきにくいので、可能なら誰かに近くにいてもらうと安心です。一人で行う日は、この記事の「一人で入れるときのコツ」にある段取りを先に整えてから始めてください。

Q. ベビーバスは必ず必要ですか?衣装ケースや洗面台で代用できますか?

A. 使用期間が1か月ほどと短いため、購入をためらう気持ちは自然です。実際に洗面台やシンクで直接洗う家庭もあります。ただし代用する場合は、滑って頭をぶつけないか、支えるときに角が当たらないか、清潔に保てるかを必ず確認してください。硬い陶器の洗面ボウルは滑りやすく、沐浴用のマットを敷くなどの工夫が要ります。衣装ケースは強度や排水の面で扱いにくいことが多く、あまり勧められません。使用期間と保管場所を含めた選び方はベビーバスの比較記事にまとめています。

Q. 耳にお湯が入ってしまいました。大丈夫ですか?

A. 少量なら自然に出てくることが多いとされています。綿棒で耳の入り口の水分をやさしく取る程度にとどめ、奥まで差し込まないでください。耳を痛がる、耳だれが出る、機嫌が悪い状態が続くといったときは、自己判断せず小児科・耳鼻科に相談してください。

Q. 沐浴中にうんちをしてしまったら?

A. よくあることです。慌てずに赤ちゃんを一度上げ、お湯を替えてから洗い直せば問題ありません。あらかじめ、お湯を捨てて張り直せる場所(シンクや浴室)を選んでおくと、この場面で慌てずに済みます。おしり周りの赤みが続くようならおむつかぶれが治らないときの記事も参考にしてください。

Q. 毎回大泣きしてしまい、つらいです。

A. 裸にされた瞬間に泣くのは、多くの赤ちゃんに見られる反応です。沐浴布を胸にかける、足からゆっくり入れる、時間帯を変えてみる——このあたりで落ち着くことがあります。それでも泣くときは、無理に泣きやませようとせず短時間で終えるほうが負担が少なくて済みます。回数を重ねると泣かなくなる子が多い、という点も知っておいてください。

Q. きょうだいの上の子と一緒に沐浴させてもいいですか?

A. 新生児期は専用のベビーバスで単独で洗うのが基本です。上の子と一緒の入浴は、1か月健診で大人の浴槽への切り替え許可が出てからにしましょう。その際も、上の子が浴槽で動くと波や転倒の危険があるため、赤ちゃんを支える手は離さないでください。

まとめ

沐浴は、手順そのものより「始める前に何が整っているか」で難易度が変わります。

  • 場所はキッチンのシンクが扱いやすい。浴槽のふたの上とテーブルの上は使わない
  • お湯は38〜40℃、湯量は5cmほど、授乳から30分以上あける
  • 体はガーゼでこすらず、泡をのせた手のひらで。生えぎわと首のしわのすすぎ残しに注意
  • 着替えまで10分前後で切り上げ、上がったらすぐへその水分を綿棒で取って保湿
  • 37.5℃以上の発熱などがあるときは沐浴を見合わせ、医療機関に相談
  • 卒業の目安は1か月健診。切り替え後は、大人が髪を洗う間は赤ちゃんを浴槽から出す

最初の数回はぎこちなくて当たり前です。それでも、着替えを重ねておく・お湯を先に張っておく・タイマーを1回鳴らす——このくらいの小さな準備で、驚くほど落ち着いて進められるようになります。首がすわるころには、沐浴は一日のなかでいちばん静かな時間になっているかもしれません。

参考にした資料:HealthyChildren.org(AAP)「Bathing Your Baby」同「Umbilical Cord Care in Newborns」同「Recommended Drinks for Children Age 5 & Younger」消費者庁 子どもを事故から守る!事故防止ハンドブック メールマガジンVol.646「ベビーバス使用時の事故にご注意を!」(2024年2月29日)消費者庁「御家庭内での子どもの溺水事故に御注意ください!」(2021年7月7日)環境再生保全機構「皮膚を清潔に保つ洗い方のコツ」小児科オンラインジャーナル「新生児のおへそのケア〜いつ取れる?消毒は必要?〜」


価格・在庫・仕様・レビュー件数は変動します。最新情報は各商品ページでご確認ください。

運営者情報プライバシーポリシー免責事項

コメント

タイトルとURLをコピーしました